越冬苗を使う「サツマイモの育て方」

サツマイモ…奥深い。

にゃあさんは、畑の中にサツマイモの固定畝を作ってサツマイモ用の土壌を育てようと考えているよ。
連作障害(病原菌・悪玉線虫・要素の偏り)対策として、休閑中に「スナイパー(イネ科の緑肥)を入れようと考えてる。

スナイパーはサツマイモの連作のために作られたような品種の緑肥。 サツマイモネコブセンチュウや紫紋羽病(根絶困難なので特に注意)にも効果があるみたい。
窒素を吸ってくれるみたいだから、ツルボケ防止にも期待。

スナイパーとの固定連作をするためにはサツマイモを早植えにしないとサイクルにならない。 挿し穂の植え付けが5月上旬。9月上旬までに収穫が目標。(生育期間は100~120日くらい)

一般的には収穫した種芋を保管して、種芋から発芽させた苗から挿し穂を作るやり方が紹介されてるけど、 にゃあが調べた結果オススメの育て方は、越冬させた苗から挿し穂を作って育てる方法。 種芋が腐るリスクは高いからね。

1月下旬(定植3週間前)

育苗床を作り温めておく。
発泡スチロールに肥料ナシの土をいれて、黒マルチと二重トンネル。

2月中旬

越冬させた挿し苗を定植する。
束をほどいて定植するが、無理に絡まった根を分けると苗が痛むので注意。
苗の上に不織布をベタがけして、内と外と2重に保温。

3月下旬

日中はトンネルの裾を開けて換気。

定植2カ月前には、畑に元肥を入れておく。
サツマイモは空気中の窒素を固定する微生物(アゾスピリラム)が共生していて、自分で窒素栄養分を作るから土壌の窒素は控えめがいいみたい。
根っこが食べる部分だから根肥のカリ多め(窒素の2倍が目安)でリン酸はイモの甘みを増すためにまぁまぁ必要らしい。
窒素5-リン8-カリ10くらいがサツマイモ用の肥料の割合になっている。

4月

不織布をとり、内トンネルは暖かい日にはめくり、中旬には外す。

植え付け10日前に、土をよく耕し幅45cm/30cm・高さ20㎝の畝を作る。
通気性がいいと芋の生育がよくなるらしい。

5月上旬

外トンネルも剥がす。

挿し穂は2〜3日日陰で萎れさせ、定植前2〜3時間の給水をする。(つるぼけ予防)

畝をドロドロ状態にして植えると発育が良くなるらしい。

サツマイモは定植する苗の角度で、芋の収量・形・味が異なる。

垂直植え・・・丸く短い芋になる。(割れることがある。)一株あたり4〜6個だが、栄養分の転流がスムーズになり甘くて美味しい高品質の芋ができる。 間隔は30㎝でOK。
斜め植え・・・焼き芋に適した大きさで、細長い芋になる。

水平にもできるけど栄養が分散されて小さいイモになる。 丘にツルを螺旋状にクルクル巻き付けてサツマイモドーム(100個くらい収穫できるらしい)作ってる人もいるんだって。すご。 大きすぎても、焼き芋や調理に向かないこともあるから、自分のニーズに合った角度を選ぶのがいい。

サツマイモのツル苗は先端(1.5節)と株本を切り落とした葉を4枚にした4節苗とすることで、枯れにくく活着も良くなる。節間の詰まった苗がよい。
葉のついたままの挿し穂を2節埋める。

発根が早く、肥大根(イモになる根)になりやすいのは頂葉(展開葉)から数えて3~5節目。
これ以下の節は吸収根になりやすく、葉も枯れやすい。

育苗時に黒マルチをすると、の温度を高めにすることでイモの肥大や食味の向上が期待できるらしい。

サツマイモと相性の良いコンパニオンプランツに「赤じそ」がある。 赤じそが過剰な肥料分を吸収してつるぼけを防ぎ、赤色がサツマイモを食害するアカビロウドコガネを忌避するらしい。

にゃあは、赤紫蘇を使わないから赤いホーリーバジルを植えてみる。

6月

追肥と除草は育成前半の6月中に済ませる。
後半まで肥効が続くと、イモの肥大が鈍くなるらしい。

除草作業は、 この時期を逃すと雑草と芋づるが同化してジャングルになり、手がつけられなくなるらしい。
雑草があると虫や病気が大発生して、日当たりも悪くなりイモは小さくなって糖分もたまらなくなる。

支柱を立ててアンドンにする。
ツル返しが要らなくなるからね。省スペースだし。

9月上旬

収穫する。
挿し穂用にツルを残しておきたいので、食べたい芋だけとって埋めなおす。 サツマイモはたくましいから埋めなおしても大丈夫。

晴天が2、3日続いた晴天の日に掘り出して2~3日天日干しさせてから貯蔵する。(5日間雨の降らない日…。)

収穫から2〜3ヶ月たった頃が一番おいしくなるので、新聞紙に包み、もみ殻や新聞紙を入れた穴あけ段ボールに入れて室内で保存する。
※貯蔵の適温は13~15℃(※10℃以下では低温障害を受ける)湿度は90~95%

スナイパー(緑肥)の種をまく。

11月上旬

挿し穂を作る。
(時期が早すぎると越冬前にツルが伸びてしまい寒さに弱くなり、遅すぎると害虫の被害や霜で傷んだりして良い苗にならないので注意。)

節間が詰まったつるの先端から7、8節のところで切る。 株元の2節は葉を落とす。

ツルを5分くらい水につけてアブラムシをとる。
3、4本のツルを括り、2束を支柱に固定し、間にプラ板を挟んで根が絡まるのを防ぐ、φ15㎝の植木鉢に赤玉土を入れて植えつける。
品種が違うものは特にくっつかないように留意する。

日中は外、夜は室内で管理する。水は乾き気味で管理。

↓参考にした記事↓ https://www.alic.go.jp/content/000073291.pdf
サツマイモの耕種的防除法/茨城県
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